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1年で100人面接した結果わかった面接官に必要な5つのこと

ベンチャー企業へ入社したワタクシ、ちむ子。しかも社員第一号なもんだから、社内に置くティッシュやゴミ袋の購入、各業者さんとのやり取り、本業のキャリアアドバイザーから、広報、マーケなど、会社づくりに必要な仕事はまるっと携わってきました。

会社づくりと言えば、人の採用。

採用担当として約1年半の中で、7名内定、5名入社の実績をつくることができました。人の入れ代わりもあり、常時3名程度の従業員しかいないベンチャー企業。ふと、面接にご参加いただいた人数を数えてみた所、1年間でその数なんと100人。

恐らく7~8割は私が一次面接を担当しているはず。この会社に入っていなければ、こんなに数多くの人と出会うことなんてなかったでしょう。

実際に『面接をする側』を経験して得たのは、やはり採用は”人の力”が必要不可欠だということです。そこで今回は、私が面接官として駆使した力って何だろう、と改めて振り返りまとめた、5つのことをご紹介します。



必要なこと①:自己開示で空気をつくる

アニメの戦闘シーンでよく「まず自分から名を名乗れ!」なんて台詞があるように、面接においても企業紹介からスタートしています。

”ある程度、企業のことを調べて応募してくれているはず!自己紹介からする必要ってある?”

と、疑問に思われた方もいらっしゃるはず。
ここで言う企業紹介の目的は、会社を知ってもらうことではなく、求職者にとって話しやすい空気をつくること。

初対面の人と話す時、相手がどんな人か分からない状態で”自己PRをしてほしい”と言われたら誰でも戸惑うはず。企業紹介は心理的に相手が話しやすいと感じる土台をつくるために行うテクニックです。

このテクニックは「返報性の法則」の中の「自己開示の返報性」と呼ばれており、相手が自分自身を開示してくることで、自分も相手と同様に自己開示をしたくなる心理状態を指しています。

※面接の流れについての詳細は下記の記事をご参考にしてください。

📝まとめ
必要なこと①:自己開示で空気をつくる
・・>面接ではまず企業紹介から始める

必要なこと②:リアクションをする

真剣に聞けば聞くほど、メモをしっかり取ろうと思えば思うほど、疎かになってしまうこと。そう、それはリアクションです。

先日、ある短大へ行ってキャリアについて授業をしたところ、学生たちの面接官に対するイメージで多かったものは「圧がある」という意見。

きっと私を含めた多くの面接官は、圧のない面接を心掛けていることでしょう。とはいえ、面接というだけで多くの人は、相手に対して良い印象を与えなければいけないというプレッシャーを感じています。その精神状態の中で、リアクションの薄い面接をしてしまえば、それだけで”圧のある面接だった”と感じられてしまう可能性があるのです。

私は下記を意識して面接にのぞんでいます。
ちなみに面接で話を聞く際、私はしっかりメモをとる派のため、真面目に聞けば聞くほど顔が「無」になり、肩が上がって、まるで怒った亀のようになるという欠点を持っています。

そのため、少し微笑んだ状態をキープ&頷く・答える・感想を伝える、などのリアクションをとるようにしています。

その結果、求職者の方々から「柔和な雰囲気で話しやすい方だった」という風に言っていただけることが増えました。(ドヤ顔)

📝まとめ
必要なこと②:リアクションをする
・・>笑顔をつくる、頷く・答える・感想を伝えるなど相手の話にきちんと反応する

必要なこと③:質問で可能性を引き出す

必要なこと①・②の項目に関しては、明日から取り入れられるテクニックだと思いますが、ここからは少しスキルが必要なお話にうつっていきます。

今回の章のテーマは、質問で可能性を引き出す。です。

このテクニックは特に”未経験者採用の場合”に有効な方法だと言えるでしょう。そして逆に言えば、下記のような状況においては必要のないテクニックです。

パターン①:スキル、資格、経験値の最低基準が決まっており、満たさない場合は採用自体ができない場合
→ 例/マネージャークラスの採用、専門職かつ即戦力の採用

パターン②:応募数自体が多く選考へ通す枠が決まっている場合
→ 例/1名採用に対して20人~30人以上の応募がある状況で、可能性を引き出すより自社にピッタリな人材を見つけ出す方が大事な採用

パターン③:良い人がいれば採用を考える、という場合
→例/即戦力となる良い人材がいれば採用を考えるといった長期的な採用

上記のような場合は可能性を無理に引き出さなくてOKです!

経験より人柄や、意欲を重視した採用を考えている企業様はぜひ、これからお伝えするテクニックを活用してみてください。

※※ 注意点 ※※
今回の可能性を引き出す方法は【目標達成が必要な職種】を想定しています。例えば、営業職、販売職など目標数字に向かって行動する必要がある職種を募集する場面において、可能性を引き出す時に効果的な内容です。(その他、現場、IT、事務など別の職種バージョンは今後、記事化させていただきます……!)

では、可能性を引き出す方法について具体的にお伝えしていこうと思いますが、方法は至ってシンプル。下記の質問事項をヒアリングすることです。

① 人生を振り返って特に頑張ったこと
② 具体的に何が大変だったのか
③ 目標達成の経験
④ 達成のために何をしたのか
⑤ これまでどんな課題にぶつかったのか
⑥ 課題に対してどのように向き合ったのか

ここで面接官の腕が試されるところではありますが、ただ単に質問するだけでなく、質問に対する答えを深掘りする作業が重要です。

例えば、こんなイメージ。

※―—=面接官 求=求職者

―— これまでの人生の中で特に頑張ったことはありますか?

求「特に頑張ったことですね……」

―— はい、学生時代に遡っていただいても大丈夫です

求「バレー部を10年以上続けて全国大会へ出場した経験があります。部活動自体はとても厳しく、身体面だけではなく精神面も鍛えられたと思います」

―— 厳しいとは具体的にどんなことがありましたか?

求「練習時には良いサーブが投げられるようになるまで、何十回とサーブを打ち続けたり、少しでも弱音をはいてしまった時には部長から叱咤されることも度々ありました。できるようになるまで、ひたすら全力で取り組む根性が備わったと思います」

―— バレー部時代にはどんな目標を達成しましたか?

求「一番は全国大会への出場のため、サーブを30本確実に入るよう練習し続けた結果、全国大会への出場はもちろん、実際の試合で得点へ繋げることができました」

―— 目標達成のために何をしましたか?具体的な行動を教えてください

求「技術力のある先輩へ指導していただき、自分の足りていない箇所を見つけて、効果的な練習方法を編み出しました。がむしゃらに取り組む力も大切だと考えていますが、効率的・効果的に鍛錬することも必要だと考えています」

―— 社会人になってから課題にぶつかったことはありますか?

求「現在の会社では入社1年目、一度も売上目標を達成することができませんでした。提案力がなかなか向上せず苦労しました」

―— 目標達成できないという課題はどのように解決しましたか?

求「実は2年目の初月で目標達成することができたのですが、まずはシンプルに行動量を2倍にしました。また自分に何が足りないのか、具体的に考えるようにしました。例えば、商談から見積り依頼に繋がる数値が少ない場合、商談においてクライアントに刺さる提案ができていないと考え、細かな改善を繰り返しました」

★さらに深掘るならこんなイメージ

★深掘りしたことで採用に繋がる例

上記の面接において仮に求職者が、募集職種の経験がない全くの未経験者だった場合、下記の理由において採用に繋がるケースがあると思います。

  • 学生時代に厳しい環境を乗り越えた経験がある

  • 目標達成のために自ら考え、行動した経験がある

  • 社会人において目標を達成した経験がある

上記の点から、経験のない中で課題にぶつかった時も、解決のために努力する力、簡単に諦めず継続していく力があると推測できます。
将来的に活躍する可能性があると判断でき、教育する余力がある場合は、採用をしても良い人材だといえるでしょう。

📝まとめ
必要なこと③:質問で可能性を引き出す
・・>頑張った経験、大変だった経験、目標達成の経験、課題にぶつかった経験をヒアリング!ただ聞くだけではなく、深掘りまで行う

必要なこと④:活躍イメージをつくる

面接の目的は大きく分けて2つあると考えています。

1つ目は自社で活躍する人材かどうかを見極める
2つ目は採用の可能性が高い人材に対して、自社への志望度を高めること。

活躍イメージをつくることは、2つ目の目的である「志望度を高める」効果を発揮します。なぜなら、入社前に求職者自身で活躍イメージを湧かすことは難易度が高く、一方で自分の力が発揮できそうだと感じられる職場環境は志望度が高くなるからです。

例えば、こんなイメージ。

―— 〇〇さんの目標達成のために行動してきた力は、当社の営業場面において非常に活きると考えています。また将来的に自分のアイデアを活かしたサービスづくりをしたいとのことでしたが、弊社では社員の意見を取り入れて★★のような商材を生み出したこともあります。〇〇さんのような熱意があれば、楽しく働いていただける環境ではないかと感じました。

活躍イメージの作り方において大きなポイントは3つ!

  1. 面接の時に感じた魅力を求職者へ伝える

  2. 求職者が話した内容において業務に活きるポイントを伝える

  3. 将来的にやってみたい事が自社でどのように実現できるかイメージさせる

すべて伝えなくてもOK!1つでも伝えられることがあれば、面接の合間にぜひ求職者の方へお伝えください。活躍イメージが湧くことで、入社したいという思いがより強くなるはずです。

📝まとめ
必要なこと④:活躍イメージをつくる
・・>面接の時に感じた魅力や、求職者のこれまでの経験が業務にどう活かせるかを伝える!また将来的な希望がどのように叶うのかを求職者へイメージさせる

必要なこと⑤:懸念点を把握しておく

ここまでできたら、リラックスした空気感の中で面接が進み、活躍の可能性が引き出されて、求職者の志望度がグッと上がった状態。

お互いに”良さそう……!”という空気感に満ちているはずですが、面接官としてはしっかり懸念点を把握しておくことが重要です。

懸念点とは会社にとって懸念となる事項。
当たり前じゃないか……!と思われた方が多くいらっしゃると思いますが、採用を行う上で懸念事項をきちんと把握するって意外と難しいものです。

大きく分けると下記のような事柄が懸念となるのではないかと思います。

  1. 経験・スキル

  2. 人柄

  3. 選考中企業が自社以外に複数ある

  4. 最終選考者との相性

  5. 入社に必要な条件のマッチング(給与/入社日/その他条件)

上記の事柄を明確に言語化することで、最終面接や入社前における条件面のお話の際に求職者へ何を確認しておくべきか、また何を伝えるべきかが整理されます。

例えば、こんなイメージ。

経験・スキル、人柄においては自社で活躍する可能性の高い人材。だけど他社でも選考を受けているため、内定辞退の可能性がありそう。
内定承諾をする時の決め手について、次の面接で確認しておこう。

懸念事項を把握し、払拭に繋がるアプローチを実施することで、内定数の増加や承諾率アップに繋げていけるでしょう。

📝まとめ
必要なこと⑤:懸念点を把握しておく
・・>懸念事項を把握した上で、払拭に繋がるアプローチを実施する


ここまでお読みいただきありがとうございました!

少々、長くなってしまいましたが、まずは1つの項目から取り入れていただき、ゆくゆくは5つすべてを実践していただくと、内定数や内定承諾数アップに繋がっていくのではないかと思います。

「どのように取り入れたらよいか分からない」
「自分の会社の採用環境に落とし込んで、面接方法を教えてほしい」
「新人面接官へ教育するための方法をアドバイスしてほしい」

などなど、面接にまつわる疑問・質問があれば、気兼ねなく下記のお問合せまたは、052-433-5787までご連絡ください。

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